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太陽光発電は太陽電池という光電変換デバイスにおいて、半導体を太陽光で励起して行うのが当たり前であった。
一方で、太陽光も電磁波の一種であり、それをアンテナで「受信」して直接電気エネルギーを得ようとする考えは昔からあった。
ところが、そのためにはナノメートルサイズのアンテナを作製する必要があり、それが電子ビーム露光装置などの分解能の向上によって漸く可能になったのは二十数年前のことであった。
ここに、ナノアンテナの研究環境は整った。
ナノアンテナとは光の波長と同程度までにアンテナのサイズを小さくしたものであり、動作原理は通常のアンテナと大きく変わらない。
しかし、通常のアンテナでは受信した電磁波のエネルギーの半分しか利用できないが、ナノアンテナではアンテナを励振するのが極めて周波数が高い電磁波であり、アンテナ表面の金属原子がそれによって揺さぶられて表面プラズモン振動を起こす。
この表面プラズモン振動によって電磁波のエネルギーがアンテナに効率良く吸収されるためにか、通常のアンテナのように受信した電波のエネルギーの半分を空間に再輻射することが抑えられる。
その結果、理論変換効率は85パーセント以上にも達し、それはガリウム砒素系太陽電池の40パーセントを遥かに上回る極めて高い値である。
この変換効率の高さから、ナノアンテナは太陽光発電の主役に躍り出る可能性を秘めたデバイスである。
しかし、少し課題点もある。
それは、周波数が高過ぎてそのままでは使えないことだ。
宇宙太陽光発電では、太陽電池で起こした電力をマイクロ波に変換して地球に送り、それを整流器などで直流に変換してから利用するが、ナノアンテナでは整流器が働かない。
通常の太陽光発電システムの出力は利用しやすい直流であるが、ナノアンテナのそれはそのままでは利用できないテラヘルツ波である。
しかし、テラヘルツ波用の整流器か分周回路が完成すれば、ナノアンテナによる太陽光発電システムは明日にでも実用化が達成される。
つまり、ナノアンテナが太陽光発電システムとしてものになるか否かは整流か分周にかかっている。
今後の動向に非常に期待している。
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